グローバルなハカランダのハナシ。
雑なハナシのコーナー。
動画サイトで海外のバイヤーさんが出してる1943年製Martin D-28を視聴。
ご丁寧にも海外の販売ページもURLが掲載されていたので見に行ったのです。
……はい、御存じの方も多いかと思いますが、1969年以前のD-28はサイドバックがブラジリアンローズウッドなんですね。海外サイトの方でも説明文に「CITESにより規制されているため国外へは輸出出来ません」と書いてあるのです。
ワシントン条約の附属書なりなんなりと採択されたのは1975年ごろ。
巷では条約発行以前に製造された物品に附属書該当物が使用されていた場合は発行前だからセーフなんてハナシも聞いたりします。
だがその「セーフ」になった事、無いんですよ。発行以前だったとしても附属書Ⅰに該当するブラジリアンローズウッドは「必ず」手続が必要になるんです。
これは、インボイスと呼ばれる「条約違反じゃないっすよ」という正式な書類があっても同じ。細かく言うと産地証明書だとか販売店による売買成立に係る証明書だとか。
まぁ、産地証明するにしてもヴィンテージのハカランダの産地〇〇ってとこだよって説明は難しそうですし……そら手続必須にもなりますわな。
仮に、ブラジリアンローズウッド仕様のギターを輸入するってなると以下のような流れに。
1,相手国(楽器屋)側から輸出許可証(CITES)と見積書とインボイスを送ってもらう。
2,経産省宛、輸入(承認・割当)申請書2通と輸入割当申請説明書と楽器屋が送ってきた輸出許可証2通とインボイスを送る。
3,経産省から輸入許可証をもらったら相手国の楽器屋へ連絡するとCITES原本とギターを送ってくる。勿論空港で止められる。
4,空港から連絡が来たら輸入許可証を送る。
5,無事届いたら2週間以内に輸入状況報告書を経産省へ提出する。
ここまで読んだら解りますね?
はい、
めっちゃ面倒くさい!!!
最低でも3週間以上かかることが明白、余程そのギターが欲しいっていう「執念」がないと途中で投げ出してしまいそう。
ここで、ひとつ疑問が湧くのが「えっ海外公演とかやってるアーティスト、海外でもハカランダ使用のMyギター使ってるよね?」っていう点。
コレに関しては大丈夫なんです。セーフなんです。
経産省のほうでも「個人特例」というのが設けられていて、限定的ではありますが
「本人の職業の用に供することを目的とし、且つ、必要と認められる貨物」についてはOKとなってます。要するに、演奏家の楽器は職業用具なのでOK。
「じゃあ安心だね」と思ってる方、まだまだ。まだあるんですよ。
この個人特例はあくまで日本のハナシなので、持ち込み先の国がこういった特例を設けていなかったら上に書いたような手続地獄が待ってます。ご注意を。
……ん?「そもそも個人輸入しようと思ってもいない」?
ごもっとも!