きゅーばんまほがにー。
小噺のコーナー。
マホガニーという木がある。
センダン科マホガニー属に属する樹種であり、ギター用材として
名前が挙がることも少なくない。
その中でもチラホラ聞く名前、「キューバンマホガニー」についてアレコレ
綴っていこうかなと思います。
マホガニーの中では最高級。よく「枯渇した」と表現されるので「絶滅」と勘違いされるけど、あくまで「枯渇」はギター用材としてのハナシであって、ハワイやフロリダの国立公園内に自生してたり人工的な植林の動きもある。
古い家具などからリクレイムされた材がたまーに市場に出るけど高い。めっちゃ高い。
1946年にキューバ政府がマホガニーを輸出禁止に指定したこともあって「戦前のヴィンテージギターはキューバンマホガニーが使われている」と言われることがあるけど、多分そのあたりのギターでもそんなに使ってないような……?
そも、戦前は確かに1902年のキューバ独立から1934年にかけて、1898年の米西戦争後のプラット修正条項に基づいて「事実上」アメリカの保護国ではあったんですよ。
ただ、その時点で、20世紀時点で。既に。
キューバンマホガニー自体は過剰な伐採で枯渇していたため、キューバからはオオバマホガニー(ホンジュラスマホガニー)を輸出していたものと思われます。
……一応、それでもキューバ産のマホガニーだからキューバンマホガニーとされてたかもしれませんけどね(ぇ
キューバンマホガニー使用として確かなものと解るのは、英国ハノーバー朝の国王ジョージ1世から4世までが治世した時代、1714年から1830年にかけての「家具・調度品」。
ジョージアン様式という建築・工芸様式が流行した所謂「マホガニーの時代」に重なるようにして造られた家具はほぼキューバンマホガニーであると予想されますな?
その時代の家具をリクレイムしたのであれば良いけど、戦前のギターメーカーの場合はリクレイムするくらいなら買い付けたほうが早かったはず。
そういった時代背景から考えた結果、戦前ヴィンテージであってもキューバンマホガニー使用を謳えるギターは「非常に少なかったのではないか」と考えます。
……ここで、「使われなかった」と断定せずにいるのも不明なヴィンテージがチラホラあるからなんですよ。
他のヴィンテージマホガニーと比べて、「明らかに違う鳴り方をするマホガニー製のギター」が少ないながらも見つかることがある。
そういったモノを見かけると、たまたまキューバンが混ざってたのか、それとも余程良い材だったのか悩みますね……?恐らく後者かな?どうだろうね?