その3、大まかな見積が届く。
ざっくばらんにスペックを書き出し、見積依頼をして二週間程度たったある日。
仕事の休憩時間に楽器屋から電話が入りました。
店員「ものすごーく大まかな見積出ました!」
私「結構粗削りっていうか、雑だったもんねえ……いくらぐらい?」
店員「まぁーまぁまぁ、概算で100+税ってとこっすね」
私「あぁーやっぱそんくらいいくよねー」
店員「選んだ木材が木材っすからね……また細かいとこ決めるならそんときにでも」
私「あいよ、またそっち行ったときご相談ってことで」
100+税。
もちろん100は100円ではなく100万である。
大まかな概算が何故そこまで高くなってしまったのかというと、側板と裏板にハカランダを使おうとしたからである。
ギター弾いてると必ずどこかで耳にするであろう木材「ハカランダ」。
ハカランダ神話だのハカランダ教だの、妙なハナシまで出てくるアレ。
正直、価値が暴騰しすぎちゃって「んな高い金出してまでやるのはアホやろ」って思われる木材の筆頭。
それでも希望した理由は、
「どうせ作るんなら好きなもん詰め込んだ仕様にしちめぇ!」
ってのがしっくりきます。
神話抜きで聞いても良い音出すんですよハカランダ。
……あ、勿論ヴィンテージだと経年変化で訳わかめなので、新品のギターでハカランダが使用されてるモノを色々試奏しての感想です。
私「しっかしまぁ、100いくだろうなと思ってたら案の定いったねえ!」
店員「やー、ハカ使ってる他にも諸々仕様盛り込んでコレなら結構マシなほうっすよ」
私「お?というと?」
店員「そうっすねえ……試しに、HPに価格表載ってるルシアーさんで計算してみましょか。仕様おんなじような感じにして」
私「載ってない木材や仕様は?」
店員「そこはそれ、うちに来たざっくばらんな見積の額から予想で」
私「どれどれ……?」
=====計算中=====
私「コレはまた何というか……凄いとしか言いようが……」
店員「ね?」
試しに算出した金額が以下のとおり。
ルシアーA→165万円
ルシアーB→180万円
ルシアーC→160万円
店員「ひとまず、今回作るモノはあちらが出してきた大まかな100って数字を基準に考えていきましょう。なるべくソレで済ませられれば御の字って感じで」
私「何かこっから詳細を盛るの怖くなってきたな……」
店員「ルシアーさんも鬼じゃないから、いざやると決まったら値段面も色々頑張ってくれると思いますよww」
私「でもここまで言っといてなんだけどさ」
店員「はい?」
私「この100万、ハカランダじゃなくて特注のインレイ代のほうで嵩んでるよね」
店員「……そうっすね……」
次回は、特注インレイのモチーフについて。